有言実行を掲げる国際看護師みーやんのblog

英語力0から始めた国際人への奮闘 オーストラリアで看護師になるまでの波乱万丈の旅路と日常 をえがく

オーストラリアの妊活、妊娠&出産 ⑤ ~オーストラリア妊娠から出産の医療サポートシステム~

Hello everyone! 

 

How are you doing? 

 

みなさんこんにちは!

初めましての方も、常連さんもWelcome Welcome! 

オーストラリア現役救命看護師、看護師メンターのみーやんです!

 

妊娠36週に入り、大分身体が重い、きつい、痛い・・・という状況で、本当は37週最後の日まで仕事をする予定だったけど、ついに産休にはいります。

 

コロナの感染だなんだってQLD ブリスベン近郊がロックダウンになった時に結局、自分の地域に感染者が出ていない理由で仕事は続けることにしたけれど、それとは関係なんしに、身体がついてこない・・・という状況に。

 

フルタイムの週5から4に落としてたはいいものの、やはり8時間歩きっぱなし、さらにマスクをして座る暇もない仕事の状況は休日にまで影響してきたから。。。さすがに決めました。今週月曜からParental leave です。

 

さてさて、今回の本題

妊活、妊娠&出産シリーズ⑤

 


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今回は多分皆さんが気になるオーストラリアの出産のシステムについてお話します。

 

妊娠発覚からGPの予約

まず、簡易の妊娠検査により妊娠が判明した時点で、私がしたのが、GPの予約です。

オーストラリアで妊娠出産の知識が全くなかった私は、どこから始めたらよいかわからないのと、妊娠初期であり、安定していない時点で周りに報告するのには気が引けたのでとっても孤独な気持ちになりました。

 

妊娠を経験している人は誰もが通る道なのかなと思います。

嬉しい事なのに言えない。旦那と私だけの秘密の時期がずいぶんありました。

 

それはおいておいて、オーストラリアの妊娠期のケアはまずはGPから始まります。

私は妊活を相談していたGPがもともといたので、同じ人に報告がてらに診てもらいました。

 

一番最初の予約でまずしたことは、バイタル測定、次の紹介状をもらいます。

  1. 血液検査(Bhcg, 腎機能、肝機能、自己免疫機能、感染症、電解質、内分泌機能、貧血の有無 etc... その他ベースラインを知る為の血液検査 基礎疾患がある場合項目は追加される)
  2. エコー: Date scan(大体が6から8週を目途に行われる、胎芽が正常な場所で育っているか、予定日、心拍などを確認するためのエコー)時期が早すぎると心拍や予定日などを推測するのに難しいため、定められた期間に行くことが大事です。
  3. 12週で行われるエコー:NT scan(ダウン症などの先天性疾患がないかどうかを見るためのエコー)
  4. NT scanとペアで出される血液検査(12週に行われる血液検査で、同じく、先天性疾患の有無、性別などがわかる血液検査)ちなみに、性別をもしサプライズにしたい場合はこの血液検査で「調べない」を選択すれば可能。
  5. 次の医療機関の紹介と決まっている場合はの紹介状をもらう(詳しくは以下で)

オーストラリアではそれらのテストは別施設もしくは、血液検査だったら、血液検査の会社がGPのクリニックに併設されている場合はそこでそのまま受けることができます。ない場合は個々で別の施設へ行き血液検査をしなければなりません。

エコーやその他の検査も、別の施設にGPからの紹介状を持って予約をとってしなければならないのが、日本との違いかなと思います。

ちなみに、3と4は1と2の結果を聞きに行ったときに出してもらったので、全てが一番最初の診察で出されるわけではないようです。

 

妊娠期のオーストラリアの医療サポートシステム

では詳しく、オーストラリアの妊娠、出産期の医療サポートについて書いていきます。

まず、私の場合、妊娠・出産の医療に関して全くの無知だったので、GPで上記の検査の紹介状を貰うと同時に どんなサポートがあるか色々聞きました。

とってもわかりやすく教えてくれました。

まず、大きく分けてGPの後に私達の選択肢として出てくるのが、私立の病院で産むか、公立の病院で産むか、そして、プライベート助産師をつけて自宅出産もしくは病院での出産をするか。という選択です。これを決めた上で、それぞれの期間への紹介状をGPからもらい、決めた場所へ直接電話などをして初診の予約をとります。

 

ではそれぞれの選択肢を見ていきます。

公立病院(Public hospitalでの出産)

公立病院で出産することに決めた時点で様々な選択肢があるわけだけど、その地域の病院のモデルによって違うので、GPにそこらへんを聞くことをお勧めします。私の住む地域でオファーされたのが以下の三つの選択肢でした。

Public hospital care

公立病院で出産をすると決めた場合、最寄りの公立病院で出産をすることが大半。その公立病院ごとに違うが、大抵はその病院の外来で定期健診を受けるか、コミュニティーセンターで受けるか、GPで受けるかを決められる(地域によって違う)。GPで受けることにする場合は②のGP sheared care になるわけです。

この選択肢を取った場合、通常毎回違う医師もしくは助産師が定期健診にあたり、出産時もそのシフトにいる産科医もしくは助産師がケアにあたります。公立病院なのでもちろん全て無料。(一部検査は実費あるも、メディケアにて補助がおりる)

退院後は、一回か二回ほど助産師の自宅訪問があり、授乳やその他の疑問点や不安点を相談することができます。

 

ここのいい所は何といっても料金。メディケア(国の保険:永住権を持っていればだれでも持てる)を持っている人であれば各定期健診、公立病院での出産費用は無料。そして、公立病院の方が医師や助産師、看護師、医療資源が沢山あるため、基礎疾患がある妊婦や合併症や複雑なケースなどの対応も素早く可能ですね。

欠点は、公立病院なので、どの産科医や助産師が自分につくかは選ぶことができない。毎回違う医師や助産師がそのシフト事に違うので、ケアに当たるわけです。また、在院日数は健康な分娩でなにも問題がなければ数時間24時間以内で退院する場合あるくらいスピーディーに退院に至ります。平均在院日数は1から3日。これは全ての公立病院で出産するケースの傾向に値するらしいです。

GP Shared Care

GP Shared Care はその名の通り、GPと公立病院とで情報を共有しケアも共有するもの。自分のかかりつけのGPで定期的な検診をうけ、必要な検査を行う。最終的には公立病院で出産をする。このスタイルのいい所は無料なのに合わせて、やはり通いなれたGPに妊娠期には継続的なケアをしてもらえる。欠点は上記同様かなーと感じました。

 

 

 

Midwifery Group Practic (MGP)

このプログラムはすごくいいなと思ったシステムMidwifery Group Practice。これは、簡単に言うと公立病院に属している小さな助産師グループが妊娠期をケアする。公立病院に属しているといっても、病院で働く助産師としてではなく、このグループとしてケアセンターなるものを持っていて、経験豊富な助産師がグループで存在し、1から2人の担当助産師が妊娠期グループケアや定期健診を全て受け持つ。

分娩時は公立病院で出産するのですが、この担当の助産師がなにも問題がなければ、公立病院へ来て分娩の全てを担当する。出産後、特に問題がなければすぐに退院することになるのだが、産後のケアとして、同じ助産師が自宅訪問を定期的に2週間ほどしてくれる。ケアセンターにもよるが、最初の2から3日は毎日。だんだん日にちを開けて2週間ほどが普通だそうです。

理解しておきたいのは、もし、合併症や複雑なケース、もしくは手術などが必要な場合はもちろん産科医に主導権がバトンタッチされるわけ。最初からハイリスクの妊娠、基礎疾患があり助産師だけのケアでは不十分と判断された場合このプログラムを使うことはできないそうです。

 

利点はやはり妊娠ー分娩ー産褥期継続して同じ助産師に診てもらえること。そしてなんといっても無料。そして、万が一の時、公立病院の産科医にバトンタッチできるのも安心なのではないかなと思います。

欠点はやはり、公立病院なので、相部屋や出産後すぐ出されてしまう事が不安な人は不安だと思います。

私立病院(Private hospitalでの出産)

私立の病院で産むのならば、もちろん個人の妊娠・出産をカバーする保険に入ってなければなりません。私の場合は、それを見越して一年前から妊娠・出産をカバーできる保険に入っていたので私立のシステムを使うという選択肢も持つことができました。

 

私立病院で出産を決めた場合、まずすることは、どの私立病院のどの産科医に診てもらえるかを決めます。私の場合は自分が働いている病院が私立病院なのでそこでするのが一番近いし、どの産科医がいいかという情報も入りやすかったのと、親しみもあるのでいいという判断で自分の私立病院の、一番評判のいい産科医に決めました。

 

利点は、決まった産科医に定期的に診てもらえるので、継続的ケアが可能です。そしてある程度の合併症は産科医がマネージしてくれます。産科医は本人の出産希望、自然分娩がいいのか、無痛がいいのか希望を聞いたりある程度の医療行為もフレキシブルに取り入れてくれるのもいい所だと思います。両親学級のようなものや出産前助産師健診として助産師と合ったり、病院ツアーをしてくれたりします。そして私立病院の良い所は個室で食事、パートナーの寝床まで至れり尽くせり。病院によってはマッサージやなんやらもついてくるとか。

私の病院はキングサイズのベットでパートナーと寝れるようになってたり、シャンパンが贈られたりするらしいw

私の決めてとなったのは、この継続ケアと分娩後数日入院し休養をとりつつ産後ケアを病院で受けられるのでこの私立病院での出産を決めた。産後ケア健診など産後三カ月にわたりもあるそうだ。

 

欠点は、プライベートの妊娠出産をカバーする保険にはいって、月に相当の金額を払うこと。ちなみに私の保険会社は私立病院入院フルカバー+妊娠・出産をカバーして毎月$180ほど払っています。(このプライベートの保険は入院費をカバーするだけで、産科医に毎回かかる定期健診費やエコーやNICUなどの料金は保険でカバーされるものとされないものがあるので注意が必要です。しかしながら、カバーされなかったらメディケアで一部が返ってくるので このことについてはまた詳しく書きたい。)

 

そして、合併症、早産、基礎疾患が私立病院の医療資源だけでは手が終えなくなったら公立病院へ送られることもあることも欠点として挙げられると思います。産科医からはもし、34週以前の早産になったら公立病院か私立でもNICUがしっかりしている施設に送るかもしれないと説明を受けました。

 

Private Midwifery Practice

プライベートの助産師を一対一で雇い、ケアに参入してもらうのがこのPrivate Midfifery Practiceである。これも職場の看護師に勧められ、話を聞きに行ったのですが、とっても良いシステムだなと感じました。

プライベートの助産院のような感じで施設がもうけられ、そこでグループ学級や個別の助産師との定期健診を受けます。そして、自分の出産プランを立てていくことができるわけです。

まずはどこで出産したいのか、自宅か病院か選べ、自宅出産にした場合色々な側面からケアサポートシステムを広げてくれます。自宅出産につく助産師はある一定の医療介入も可能で、処方もできるので、自宅出産でもモルヒネなどを使うことも可能だそうです。

病院出産を希望した場合、私の経験した助産院では、公立病院での出産になり、経験豊富なプライベート助産師が付きっきりで出産に当たります。もし、外科的介入や吸引などの医療行為が必要になった場合は公立病院の産科医にバトンタッチすることになるようです。

プライベート助産師の一番の利点は、出産を包括的に進められることだとおもいます。助産院によるのかもしれないが、私が話を聞いたプラクティスでは出産前のヒプノセラピーやヨガ、出産後の授乳、睡眠などのケア全てを見てくれ、母親として持っている自然の力をより引き出す手伝いを重要視しているようでした。

 

欠点は、もし無痛分娩やカイザーなどの医療行為を希望している、予定している妊婦さん、基礎疾患がありハイリスク妊娠の場合には向かない事かもしれません。料金はそれぞれのクラスや定期健診ごとにかかり、プライベートの保険に入っていてもカバーされない部分が多いそうです。(メディケアで一部返ってくるものもある)また、プライベート助産師をもちながらも、病院で出産をすることに決めた場合、公立病院で出産することになり、相部屋や入院日数は公立病院の決まりに従う必要があるため、何も問題がなければすぐ退院することになります。

 

しかしながら、ここが日本と違う所で、日本は通常一週間は入院するところがほとんどだと思う。が、オーストラリアでは病院に長くいる事の方が負担と考え、より早く自宅に帰し、そこで家族、パートナー間でのセルフケアの向上を助けるのが一番よいプロセスとして挙げられているので、日本のように 一週間ほど入院するというケースは医療的な理由がない限りないそうです。それよりも、自宅訪問などで自宅でのセルフケアをサポートすることに重きを置いているそうです。

 

 

私は私立病院での出産を決めましたが、

ここに至るまで、かなり考えて、職場の人にさりげなく聞いたり、他の自分の病院で働く産科医やプライベート助産師や、公立病院の持つ Midfery Group Practiceの予約をとって話を聞きにいったりし、自分に一番合うものに 情報集めをしました。

なので、自分がどんな妊娠期・分娩期・産褥期を過ごしたいかを明確にして、自分にあった方法を見つける事ができるようにするといいかなと思います。

しかもこの決断の時、唯一妊娠について知っていたのは旦那だけ。その旦那がフィージーへの軍の司令で行かなければならなくなり、相談することもままならず・・・全てを一人で決めなければならなかったりと、とても心細い思いをしました。

今考えると、誰かに相談してもよかったなーと思うのですが、妊娠初期ってホントどうなるかわからない分不安ですよね・・・なので、そんな方の情報と力になればと思います!

 

上記の情報は2021年7月時点での情報であるのと、個人的な見解も入っているので、是非参考までに読んでもらえるといいかと思います!

 

それでは!

長くなりましたがここまでで!

 

See you soon and have a wonderful day!