有言実行を掲げる国際看護師みーやんのblog

英語力0から始めた国際人への奮闘 オーストラリアで看護師になるまでの波乱万丈の旅路と日常 をえがく

オーストラリアの鎮痛剤事情

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初めての方も常連さんもWelcome Welcome !!

 

有言実行を掲げる国際看護師みーやんです!

 

さっそく今日のテーマに入りたい。

オーストラリアの鎮痛剤事情

 


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いやーこれはすごく多きなカルチャーショックだった

オーストラリアと日本では本当に鎮痛剤の使い方が大分違う。

 

これはきっと文化的背景も関わっているんだと思うのだが、

日本で6年看護師をやっていた自分からすると 

オーストラリアは鎮痛剤をバンバン使う。

 

痛みに対しての固定観念が日本と違うんだろう。

日本人はかなり痛みに対する閾値が高く、すごく我慢してしまう傾向があると思う。

 

一回、日本の消化器外科で働いている時

胃切除後の患者さんで

ベットでうなってるからどうしたもんかと行ってみたら...

 

「大丈夫。。。術後の痛みだから。。。」と言って全くナースコールを押していなかったんだろう。

 

その人の腹部はパンパンに膨れ上がって破裂状態(絶対いま起こったことじゃないかんじ)

「これ絶対イレウスだ」と思って医者コールしているうちに廊下で...

大量嘔吐

 

壁にまで飛び散るくらいの吐物

(すみません。読みたくない方は読まなくて大丈夫です)

 

結局緊急手術になってイレウス解除のオペに行った。

 

絶対数日前から痛みや吐き気はあっただろうに

全く訴えていなかった。

腹部の張りもそこまで目立つほどではなかったらしく

前の勤務者も気づかなかった。

 

とにかく痛みに強いというか痛み止めを使う事にすごく抵抗がある人が多い。

これは高齢の方になればなるほど 

そして男性に多い。

やはり「男は強くて、弱音は吐けない」

みたいな古風な考えの人が沢山いて痛みを我慢してしまうんだろう。

 

だから、痛み止めの説明も痛みによる弊害もきちんと説明しなければ、日本人はなかなか痛み止めを使いたいと言ってこないことが多かった。

 

それに比べて

オーストラリアではそういった痛み止めに対する固定観念や抵抗感は少ないように思う。

(だからと言ってすべての人が同じではなく、日本同様高齢者は結構痛みを訴えないことも多い)

 

だからなのか、

麻薬系の痛み止めをバシバシ使う。

例えば、モルヒネ、フェンタニル、も静脈注射でバンバン使う。

PCA(患者自己調節できる持続痛み止め)なんかにはケタミンなんかも使われる。

 

日本だったらモルヒネなんて癌性疼痛で使うくらい?しかも静脈注射はしたことがなかった。(皮下注の持続とか?)

フェンタニルなんて挿管してる患者の鎮静で持続で使うくらいで普通の腹痛、腰痛とかに使ったことがなかった。

けれど、オーストラリアでは普通に静脈からモルヒネなら2.5mg ~5mgを希釈したものだけど一回で投与する。患者さんはみんな普通に「あちょっと楽になった」「ちょっとくらくらする」くらいで効果的に使われている。

内服でも

オキシコドンなんで、骨折した患者とか、子宮内膜症とかのお腹の痛みとかにも使われる。日本はきっと、自宅での癌性疼痛に対する痛み止めとして使われるくらい??私の日本での知識は古いので是非皆の最新の情報を教えてほしい。

 

とにかく、麻薬系鎮痛剤の使用が幅広く行われている。

日本にはけっこう麻薬系の薬剤の使用がタブーのようになっていることも理由の一つにあると思う。だから、鎮痛剤の使い方は国でかなり違うんだなと思った。

 

私は日本で生まれ育って、教育を受けて、看護師も経験しているので、ついつい日本の感覚で物事を見てしまうけれど、

オーストラリアでは「普通」である麻薬系鎮痛剤の使用

オーストラリアの「痛みは早く治すに越したことはない」という考え から我慢することはしない、使えるものは使って症状を改善させることは それはそれでありなのかなとも思う。

 

以前、オーストラリアで医師免許をとった日本人の医師と働いた時、この話になった。

その人は、先にオーストラリアで免許を取り、人生のほとんどをオーストラリアで過ごす医師で、日本でも短期だが医師として働いたことがあったとのこと。

 

その人から言わせると、

「日本の麻薬系鎮痛剤に対する固定概念が厳しすぎる。

痛み止めの使用を最小限にするのが当たり前で、麻薬系鎮静剤の使用が癌性疼痛以外はほとんど使われていないのが おかしい。

もっと使ってあげればいいのに」

という感想を持っていた。

 

彼は日本人だけれど、麻薬系鎮痛剤の使用に寛容な考えをもっていた。

人種に関わらず、学んできた過程や環境によってこうも考え方がちがうんだな、と興味深く聞くことができた。

 

じゃあ バンバン麻薬系鎮痛剤をつかってそれによって中毒になってしまうんじゃないの?という疑問が出てくる。

 

だからこそ医療者がきちんと麻薬系鎮痛剤の使用に敏感にならなければならないんだとおもう。

そういう意味で、オーストラリアの医師・看護師はきちんとトレーニングされていていわゆる「Drug seekers」に関しては 様々な方向からアセスメントする。

 

まあ 痛みって本当にsubjective なものだから特に慢性的な痛みにかんしては本当に難しいところもあるんだと思う。

そこらへんはまた他の機会に書きたいと思う。

 

ということで、

オーストラリアと日本の鎮痛剤事情でした。

何が良いか悪いかではなく、文化背景や教育、社会性などからも医療って変わってくるんだと思う。

 

それでは

See you soon and have a wonderful day!