みーやん的 オーストラリアの病院&救命センターの分析
Hello Everyone!
はじめましての方も 戻ってきてくれた人もWelcome and Welcome!
私、みーやんは現在オーストラリアで看護師となり3年目です。日本では5年の救命経験と一年の外科夜勤専従の経験。英語力0から始めた波乱万丈な外国暮らしを経て、現在にいたります。詳しくは第一番目のブログを読んでくださいねー!
今だから言える恥ずかしい思いも悔しい思いも色々して来て、今無事、現在のポディションで細々とですが国際看護師として働いているところです。
今回は現在勤務中のオーストラリアの病院と救命センターについて熱く語ろうと思います。ここの内容はあくまで自分の経験、主観で書かれているので、一個人の視点としてとらえてもらえると嬉しいです!
現在勤務中のオーストラリア病院と救命センターについて
‐病院の概要-
現在の病院は200床ほどで、救命センター(Emergency Department)、と化学療法・インフュージョンセンター(Oncology/ Infusion centre)、透析センター(Renal, Dialysis unit) を最近追加して外科(Surgical Unit)、内科(Medical Unit)、小児科&産婦人科 (Women and Children Ward)、リハビリ科(Rehabilitation Ward)、手術室(Operation Theatre, Day Surgery) 、心臓内科 (Coronary Care Unit) とICU(Intensive Care Unit) を含む中型総合病院です。
比較的小さい病院だけに看護師同士ほとんどが顔なじみになる、さらに病院の管理者までも名前を覚えていてくれるくらいのアットホームな病院ははじめは驚いたのと奇妙に思ったものの、今では家族みたいな気持ちで働います。
‐救命センターの特徴‐
救命センターの患者受け入れの実態
この3年間で二つの救命センターで働いて分かったことがあります。
それはオーストラリアの救命はごちゃまぜ!そして、それぞれの救命センターで受け入れ可能な疾患や重症度などで受け入れできるかの有無でその雰囲気はかなりちがいます。
現在の救命はまだ開設されて新しいことと私立の中規模病院という枠で複雑なケースは対応できないということで、比較的軽症例が多いように感じます。
例えば救急車から受け入れ要請が来た場合消化管出血、脳神経外科系、外傷、熱傷、心筋梗塞はそれぞれの受け入れ医師や、治療のための環境がいないため受け入れできないようになっています。
日本とオーストラリア間での救命センターの違い
日本では一次、二次、三次と別れていてそれぞれの重症度別で救急隊が初期トリアージをし、それぞれの病院、または同じ病院内でも救急外来か救命センターに分けて転送しますよね。(もしかしたら地域や病院によっても違うのかな?違ったら教えてください!)
私の以前働いていた日本の病院は一次と二次の患者さんは救急外来で診て落ち着いたところで一般病棟へ上げるという流れでした(まれに二次の救外から三次へ引き上げられる例もあり)。また、三次救命がいわゆる”救命センター”という所で初療をにあたり、そこで初療を終えた人はそのまま救命センター内のICUベットのようなところで集中治療を続けるという流れでした。たぶん他の病院はこのICUベットが救命センター内に併設されていなく、ICU病棟やハイケア病棟へ上げるという流れの病院もあるかもしれません。
オーストラリアではトリアージは救命センターの看護師が行います。また、救急が日本のように救急外来ー救命センターとして重症度別で分かれているのではなく、”救命センター”にすべてのレベルの患者さんが来ます。
患者自身が直接日本のように受診する場合(Walk-inと呼んでいます)もあれば、救急車で搬送される人もいます。そのすべての患者さんが一番最初にすることは、
看護師からトリアージされることです。
そのトリアージの仕方には、重症度別に5カテゴリーに分けてあり、簡単に言うと、それぞれの患者の重症度をどのくらい早く医者に診てもらいたいかで分けています。
これを見てみるとわかるように
カテゴリー1は超救急: とにかく今スグ介入しなきゃ死にますっていう人。
例: 心停止、心停止寸前、意識消失で気管確保が危うい、超重症外傷、全身熱傷、気道熱傷、意識レベル低下、重症ショックなどなど、
カテゴリー2は10分以内に介入しないとえらいことになります!っていう人。
例: 虚血性心臓発作,不安定狭心症、バイタルが不安定な不整脈、敗血症、バイタル不安定な糖尿病性のケトアシドーシス、アナフィラキシー症状、自殺企図のある不安定/活発な精神症状が出てるな精神疾患患者 などなど
カテゴリー3は30分以内で診てもらいたい人。
例: めっちゃ冷や汗かいてうなってる腹痛の人、胸痛が2週間くらい続いてるけどECGはノーマルな人、喘息発作が出てるけどバイタルに問題がない人、下血が続いてるけどバイタルはノーマルな人、転んで骨が折れてるっぽい などなど
カテゴリー4 1時間以内で診てもらいたい人。
例: 2週間くらい続いている腹痛現在は痛み0でバイタルも正常、転んで腰をうったけど歩ける、風邪や胃腸炎で数日食べれてないがバイタルは正常 などなど
カテゴリー5 2時間は待てる患者
例: 昨日レントゲンをとってその結果を聞きに来た、足の指にとげが刺さった、耳の中に虫が入った、指が痛い などなど
*この内容は人がアセスメントするのでそれぞれ幅はあるのと年齢やその他の基礎疾患、事故の被害の度合いなどが考慮されトリアージされる。
そしてトリアージ後重症度に合わせて、リサステーション(初療室)、急性期モニターベット、短期ステイチェア、待合室と振り分けられます。
リサステーション(初療室)
要は重症患者で一対一の看護、医療介入が状態が落ち着くまで必要な患者さんが入る場所。ここは日本の三次救命の初療室をイメージしてもらえればいいかと思います。
私の現在働いている救命のリサステーションのベットは1床のみ。一個前の病院は3床ありました。機能はどの病院も同じく、呼吸器管理、麻酔を使用しての処置、きめ細かい全身管理が必要な患者が振り分けられる。看護師も経験とトレーニングを受けたものが配置される。日本で働いていた時は看護師一人に対して一人の患者だった(医者はオウベンから研修医まで多数)に対し、オーストラリアの初療は人材豊富な気がします。特に公立の救命のリサステーションは大きい外傷や挿管が必要、重症度が高いと看護師だけでが最低でも4人(気道係、薬係、処置係とチームリーダー)といて治療にあたります。うらやましい!
急性期モニターベット(Actue qubicles/ Acute monitor bedsと呼ぶ)
病院にもよると思うが、現在の病院では一人の看護師に対し、6ベットを看ている。ENという日本でいう准看護師にあたる看護師がうちにはいて外回り的に色々手伝ってくれるものの、重症度が高い時は特に、安全ではない状況になることもあるので、改善してほしいところ。。。
現在の救命はこの急性期ベットが6個だけなのですが、大きい病院はもっと複雑に分かれている。一個前の救急は急性期モニターベットが16床とモニターのない隔離用ベットが4床、急性期精神疾患モニターベットが3床あった。さらに廊下のベット(corridor beds) があぶれた患者用に3床あった。そこでは看護師一人に対して4人患者を看る。さらに、その上にリソースナースといってその各看護師をフォローする看護師がいて助けてくれる。と、外回り看護師がcorridor bedsと隔離ベットを看るようになっていました。
短期ステイ用チェア(Fast Truck Chiars)
簡単な処置(縫合や包交)、単純な骨折などで痛み止めが必要な人、検査の結果待ちでまだ痛み止めが必要な人、抗生剤投与や軽傷な脱水の改善のため輸液が必要な人などなど、厳重な観察は必要ないが、経過観察が必要な人が行きます。
現在の病院にはないが、このエリアがあったらどんなに楽かと思うことが多々あります。なぜかというとあまり軽傷なケースでベットもモニターも必要のない患者に対して適切に介入できるから。また本当に急性期管理が必要な人を急性期モニターベットに配置できるからです。
待合室
文字通り、特に特別な観察が必要ないひとがここで待ってなさいとトリアージ後に戻されます。「なんで来たんだ」とよく看護師間で白い目でみたりするのがここに戻る患者。(すみません。。看護師も人間です。。。)
前の救命センターは公立病院だったのと大型病院だっとため、いろーんな患者さんが来ていたんです。それこそシドニーの繁華街のど真ん中にあったため、薬物中毒、薬物アルコール中毒、DV、精神疾患、ホームレス、セックスワーカー、本当に色とりどりで待合室は金曜の夜には毎回スパークしていました。面白いのでまたこんど詳しく書きたいと思います。
ーおわりにー
さてさて、このほかにも小児専門救急や一日入院ユニット、各処置別のユニットが併設されている救命があるところもあります。今回は私がわかる範囲で紹介しましたー!
自分が就職活動をする際にこっちの救命や他部署がどのように機能しているのか実習しない限り分からないし、英語のエリア名もピンとこないまま応募して面接し仕事を始めたので、最初本当に苦労したのを覚えています。なのでこのような情報がもっとあったらいいのになーと思い残したいと思います。
この回は救命に興味のある方に限られてしまうのかなーとおもいますが、楽しんでいただけたら嬉しいですー!
また一般病棟や他の科についても紹介しまーす。
ではでは またお会いしましょう!